有萬のサッカー日記

スポーツと科学の交差点

クーマン解任のバルセロナが向かう先

4勝3敗5分 9位(19得点15失点)

 

少なくとも、名実ともに世界有数の強豪クラブにしては悲しい数字だ

バルセロナの低迷期はいつまで続くのだろう

 

希望の光は僅かながら見えていた

10年前、その美しいパスワークと絶対的なエースが織りなす圧倒的な支配力でスペインを、欧州を制したバルセロナは誰がどう見ても完璧だった

シャビ、イニエスタ、そしてメッシ...

彼らが去ったバルセロナは確かに、美しさにも強さにも陰りが見え始めていた

 

それでも、ぺドリ、ガビ、アンス・ファティら次世代の主役の台頭に加え、デパイ、アグエロら実力者の補強と、今シーズンへの期待感があったことも事実だ

さらに言えば、(厳しい懐事情で仕方なくだった側面もあったとは言え)その若手らを積極起用したのは紛れもなくロナルド・クーマン監督だった

例え今シーズン結果を残せなくても、嫌われ者になったとしても、後の黄金時代到来を予感させる未来への投資は確実に行われていた

 

あっさりと裏切ったラポルタ会長

10月の頭にはラポルタ会長も「クーマンは監督であり続ける」と続投を約束する発言をしていたにも関わらず、結局その約束はその月いっぱいも守ることができなかった

クーマンの采配や性格に問題がなかったとは言わない

むしろ派手な言動のお騒がせタイプの監督であることは就任前から知られていたし、現代サッカーの潮流とバルサの哲学の間で揺れる采配も決して褒められたものではなかった

バルセロナのようなビッグクラブほど、「数年後の黄金期のために今負けること」を許されないことは理解している

それでも、自らの手を汚してでも土壌を作り、大樹になる可能性を秘めた種を蒔いた

少なくともシーズン途中の解任ではなく、今シーズンいっぱいだけはクーマンを信じて、その改革を見守っても良かったのではと思ってしまう

クラブ上層部が哲学も覚悟も失っているバルセロナ

英雄シャビの帰還で浮上のきっかけを見つけることができるだろうか

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10月27日に解任が発表されたクーマン監督